枯木 koboku 、寒林に倚 yo る
- 2023/03/15
- 13:32
正法眼蔵 行持 ( 93 )
つひに僧に命じて師を請 syo するに出山せず
偈 ge をつくりて答するにいはく
「 摧残 saizan せる枯木 koboku 、寒林に倚 yo る
幾度 ikutabi か春に逢うて心を変ぜず
樵客 syo-kaku 、之 kore に遇うて猶 nao 顧 kaeri みず
郢人 ei-zin 、那 nan ぞ苦 nengoroni 追尋 tuizin することを得ん 」
つひにおもむかず

法常禅師に山を下りて来るよう
斉安国師は使いを送ります
しかし法常禅師は、山を下りる気配なく
かわりに詩をしたためます
切残されし枯木が寒林に立っている
何度春を迎えても、生き返ることはなかった
木こりが顧みない枯木
それをどうして大工さんが求めることが出来よう
法常禅師が山を下ることはなかった
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