難し
- 2021/12/08
- 09:21
正法眼蔵 出家功徳 ( 8 )

又問う、[ 出家には、何等の難きことか有る ]
答へて曰く、「 出家は、内楽を難しと為す ]
[ 既に内楽を得ば、復次に何者をか難しと為す ]
[ 諸の善法を修すること難し
是を以ての故に、応に出家すべし 」
( 又問います
( 真の出家の、どこが難しいのですか
( 舎利弗が、答えます
( 出家とは、身から出る事で
身は捨て置かれて初めて、安らげるのです
身に絡む習慣を、脱する事が難しいのです
( さらに続けて問います
( 身を捨て置いて
穏やかに、坐せるようになったら
次に難しいのは何ですか
( 舎利弗は答えます
( 坐を離れても、いつも身体にからまない
これは、難しいことです
以上のように、真の出家
身を捨て置く、身から離れるのは難しいのです
それ故、する意味があるのです
復次に、若し人
出家する時、魔王驚愁して言く
「 此の人 諸の結使 ke-si 薄らぎなん
必ず涅槃 ne-han を得て、僧宝の数中に堕すべし 」
( また次に
( 人が出家する時、身体に絡まなくなる時
( 魔王は、取り憑く所を失くし
( 驚き愁え、こう述べます
( この人は、束縛が薄く
その身から離れることが出来る
必ずや涅槃を得て
すぐれた僧の仲間に入るだろう
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