谿声山色 46 「 谿声山色 」
- 2021/07/14
- 11:22
正法眼蔵 谿声山色 46
「 谿声山色 」
たとひ谿声山色
八万四千偈を現成せしめ
現成せしめざることは、夜来 ya-rai なりとも
谿山の谿山を挙似 ko-zi する
尽力 zin-riki 未便 mi-ben ならんは
たれかなんぢを谿声山色と見聞 ken-mon せん
( 北アルプスの雄大な景色
( これを前にした時、魂が揺さぶられます
( 幽玄な坐禅堂に坐す時
( そのような感動は起こりません
( しかし私達が
( 静かに坐しながら
( 時間を止めて観ること
( 時間を止めて知ることをやめたなら
( どこにいても
( 時間空間自体が
( すなわち私達の心身そのものが
( 雄大幽邃な音楽を奏でることでしょう
( それは谿声山色も
( 私達の心身も止まることなく
( 生成と消滅の持続を本性とするからです
( 生成と消滅が同量だからこそ
( 天空の音楽なのです
正法眼蔵 谿声山色
爾時 kono-toki
延応 en-o 庚子 kanoe-ne 結制後五日
観音導利興聖宝林寺に在 a って衆に示す
寛元 kan-gen 癸卯 mizuno-to 結制前
仏誕生の日、同寺に在って
侍司 zi-su 之 kore を書き写す 懐弉 e-zyo
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