谿声山色 35 「 田地 den-ti 」
- 2021/06/20
- 21:25
正法眼蔵 谿声山色 35
「 田地 den-ti 」
善知識この田地 den-ti にいたらんとき
人天の大師なるべし
いまだこの田地にいたらず
みだりに為人 i-nin の儀を存せん
人天の大賊なり
( 火祭りの炎だけでなく
( 森羅万象谿声山色
( そして私達の心身も
( 決められた時間の中
( その炎を尽くそうとする
( 火の営みです
( その火が、光となり音となり
( 壮大な音楽を奏でてる
( これは冷徹なレポートであって
( 人々を益するはずです
( その実測に至らなければ
( それは事実に反していて
( 人々をただ惑わすだけでしょう

春松しらず、秋菊みざらん
なにの草料 so-ryo かあらん
いかが根源を裁断せん
( 晩秋、山々が燃えます
( 春松の緑、秋菊の黄色も
( その真意は色彩の炎です
( モノに宿った色彩が
( モノ以前、モノに宿る以前の
( 故郷へ帰ってゆく
( それが香り立つ色彩の秘密です
( 同じように私達も
( この身に幽閉されてる
( ものたちを
( 坐と言う、炎の祭壇から解き放てます
( この行事を主催
( 出来るのは、私のみです
( それらが、この身に宿ったのは
( そう至る経緯に、私が関わっていて
( それ故、その解放をなしえるのは
( 私のみだからです
( 日々の生活では
( 気分という曖昧なものです
( しかしその背景には、深い因縁があり
( 解放を待つ、悲痛な叫びがあります
( その絶望に震えてる
( 祖師方が坐を保持したのは
( それに応える、ものでした
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