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谿声山色  11 「 更に疑はず 」






正法眼蔵 谿声山色  11
「 更に疑はず 」


又 霊雲 rei-un 志勤 si-gon 禅師は
三十年の辨道 ben-do なり
あるとき遊山するに
山脚 san-kyaku に休息して
はるかに人里を望見す
ときに春なり、桃華のさかりなるをみて
忽然 kotu-nen として悟道す

 ( 霊雲志勤禅師は
 ( 三十年にわたり
 ( 坐禅行を続けられた
 ( ある日、遊山にでかけ
 ( 山すそに休息し、遠く人煙を望みます
 ( 時は春、桃の花
 ( あわく咲きほこるを見
 ( 忽然と、心身の疑いが晴れます


20210507SS00001.png

偈 ge をつくりて
大潙に呈するにいはく、

「 三十年来 尋剣 zin-ken の客
.......幾回 iku-tabi か葉落ち又
.......枝を抽 nuki んづる
.......一たび桃華を見てより後
.......直に如今に至るまで更に疑はず  」

 ( 詩を作り
 ( 大潙禅師 (771-853) に呈上します

 ( 三十年来、船上にあって
 ( 川に落とした剣を
 ( 船べりにつけた印をたよりに
 ( 探すような事をして来た
 ( その間、桃の木は幾たび葉を落とし
 ( 枝を伸ばしたことでしょう
 ( ひとたび桃の花を見てからは
 ( もうこの心身を疑うことはありません

大潙いはく
「 縁より入る者は、永く退失せじ 」
すなはち許可するなり

 ( 大潙禅師これを読み述べられます

 ( 長く行をなし、機が熟しての縁
 ( それがくつがえることはありません

 ( 大潙禅師は、よしとされます





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