行 持 下 「 古来の勝躅 」
- 2021/03/09
- 08:20

正法眼蔵 行 持 下
「 古来の勝躅 」
なんぢに利益せられん衆生は
堕獄 da-goku の種類なるべし
一生のくらきことをかなしむべし
愚蒙 gu-mo を利生に称することなかれ
( 名利を大事にする者に
( 利された人々は
( 地獄に堕とされたよう
( その一生無明は悲しいことです
( 名利を大事にすると言う愚かな考えを
( 人々を利するためと
( 称えてはいけないのです
しかあれば、師号を恩賜 on-si すとも
上表辞謝する、古来の勝躅 syo-tyoku なり
晩学の参究なるべし
まのあたり先師をみる、これ人にあふなり
( 祖師方が禅師や
( 大師の号を賜っても
( 書をもって辞退したことは
( 古来の勝れた事跡であり
( 後進の私達も学ぶべき事です
( 私 [ 道元禅師 ] は
( そのような師 [ 天童如浄1163-1228 ] に
( お会いしましたが
( まことの 「 人 」 とはこのような方だと
( 感じた次第なのです
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