行 持 下 「 何事をか求むる 」
- 2020/11/01
- 20:00
正法眼蔵 行 持 下
「 何事をか求むる 」
初祖あはれみて
昧旦 mai-tan にとふ
汝、久しく雪中に立って
当に何事をか求むる
( 達磨大師は
( 慧可大師を哀れに思い
( 明け方に尋ねます
( 長く雪の中に立ち
( 何を求めてらっしゃる
かくのごとくきくに
二祖、悲涙
ますますおとしていはく
( 慧可大師は
( このように問われ
( 悲しみの涙の中で答えます
惟 tada 願わくは和尚
慈悲をもて甘露門を開き
広く群品 gun-bon を度したまえ
( 願わくは慈悲をもって
( 甘露の法門を開き
( 広く私達をお救い下さい

( 道を求めんと
( 心を鼓舞し教えを待つ
( 暗夜雪々の夜明け
( 達磨大師からの言葉は
( 何を求めてらっしゃる ?
( 落ち着いて考えますと
( この問いかけは???です
( 119番かけたら
( 「 何かありました?」
( 何かあったから電話するんで ・ ・

( 「 当に何事をか求むる 」
( これはお二人の
( それまでの経緯があってこそ
( な感じがします
( 達磨大師は面壁坐禅の法を
( 継ぐ方を求めておられる
( 二祖慧可大師は
( 仏道の神髄を求め求め
( ここまで来られた

( 捨てればいい
( それで済むならこんな苦労は
( 必要としない、と言えます
( 勇猛果敢に集中すればいい
( それで済むならそんな苦労は
( 要さない、と言えます
( 30分の講義で十分過ぎます

( この身を
( 蝶々の標本のように
( 一針で殺 sa っする
( 同じ事を坐禅で行っても
( 身体は当然生きています
( 一殺の一針は
( 吐く息のように ing であるはずです
( 一針一殺を継続してゆく
( これは集中と言えるでしょう

( この身を
( 蝶々の標本のように
( 一針で殺 sa っしながら
( そのままその身から離れる
( これは 「 捨てる 」 ことで
( その実際は解放される事であり
( 気軽になることでしょう

( この身を蝶の標本にする
( その一針一殺を継続してゆく
( これは 「 ありのまま 」 とか
( 「 自然体 」 とは趣を異とします
( 一針一殺されたこの身から
( 思い切り飛翔するのも
( アクティブであって
( ぜんぜん「 ありのまま 」 でない

( 赤穂浪士のような
( 目的必中必達の勢いと
( イタリア男子のような
( 超お気軽、気にしない感
( 面壁坐禅の中で
( この二つがそろって大化けします

( 吐く息のよう
( 一殺の一針はいつも生きてなきゃ
( 吐く息に未練なし、なよう
( この身からお気軽に離れなきゃ
.