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行 持  「 驪竜 ri-ryu の玉 」


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行 持   98 )


しづかにおもふべし
驪珠 rizyu はもとめつべし
尺璧はうることもあらん
一生百歳のうちの一日は
ひとたびうしなはん
ふたたびうることなからん
いづれの善巧方便ありてか
すぎにし一日をふたたびかへしえたる
紀事の書にしるさざるところなり
もしいたづらにすごさざるは
日月を皮袋に包含してもらさざるなり


 ( 熟考することが出来ます
 ( 驪竜 ri-ryu の玉
 ( 黒い龍の、顎の下にある宝玉
 ( この、一尺の宝玉を得ることは
 ( 出来るかも知れません
 ( それに比して、一生百年の中
 ( 今日一日、今ここは
 ( ひとたび見失えば
 ( 二度と見ることは、出来ません

 ( どのような手法があって
 ( 過ぎた一日、見失った日月を
 ( また取り返すことが出来るでしょうか
 ( 歴史の書にも、そのような例は
 ( しるされては、いません

 ( いたずらに一日を過ごさずとは
 ( どのような過ごし方でしょうか

 ( 日月を
 ( 皮袋に包含して、もらさざるなり
 ( この身体、この今です
 ( この身体円周の中へ
 ( 「 永遠の日月を、映し宿す 」
 ( これが、「 いたづらにすごさざる 」 です



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しかあるを、古聖先賢は
日月ををしみ、光陰ををしむこと
眼睛よりもをしむ、国土よりもをしむ

 ( 道元禅師が
 ( レポートされてる、この無常観は
 ( 一般的なそれと、微妙に
 ( そして大いに違っておられます

 ( 滔々と流れ、止まることなき大河
 ( 一瞬は二度と戻らない景色です
 ( 大事に向き合わねば ・ ・
 ( これだけでも、尊い「 観 」 です

 ( かたや、この一節の無常観は
 ( 次のようなものです



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 ( この1コマに、無限日月が
 ( 映し出され、宿り、そして
 ( これを生きることが出来ます
 ( ゆえにこの、今
 ( この身体の、1コマが大事だと

 ( 二度と見ることのない
 ( この夏の積乱雲、それだけでも尊いです
 ( しかしそれは本当の
 ( 価値の表層でしか、ありません



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 ( 勇猛果敢な、この積乱雲
 ( その、一滴その中
 ( 森羅万象が映っています
 ( 一滴の水滴、それは
 ( 森羅万象に、他ならないのです
 ( 一滴の水滴を創ったのは
 ( 森羅万象なのです
 ( 今、この一滴の水滴があるのは
 ( 今ここで、森羅万象が
 ( この一滴にはたらきかけてる
 ( それゆえなのです



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 ( 今、この身体を形成してるのは
 ( 森羅万象に他ならないのです
 ( 私達は、この身体という
 ( 回り道を通って
 ( 森羅万象に至ることが出来るのです






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佐々木正巳

Author:佐々木正巳
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