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行 持  「 冬 暮 」



行 持   71 )


五祖山の法演禅師いはく
師翁はじめて楊岐 yogi に住せしとき
老屋敗椽して風雨の弊はなはだし

 ( 五祖山の法演禅師が述べられました
 ( 師である白雲守端禅師が
 ( 始めて楊岐山に住した時のことです
 ( 屋根のたるきは腐って
 ( 風雨をしのぐことも出来ませんでした

ときに冬暮なり
殿堂ことごとく旧損せり
そのなかに、僧堂ことにやぶれ
雪霰満牀、居不遑処なり

 ( 冬の夕暮れ
 ( 殿堂皆いたんでましたが
 ( とくに坐禅堂のいたみはひどく
 ( 雪やあられが吹き込み
 ( いれたものではありません

雪頂の耆宿、なほ澡雪し
厖眉の尊年、皺眉のうれへあるがごとし
衆僧やすく坐禅することなし

 ( 雪が白髪の老僧にそそぎ
 ( 豊かな眉も
 ( 愁いをたたえる如しです
 ( 安らかに坐禅する
 ( そのような環境ではありませんでした

衲子投誠して
修造せんことを請せしに
師翁却之、いはく

 ( 僧たちは
 ( 誠を尽くして修築を願い出ます
 ( 白雲守端禅師は、それを退け
 ( そして述べられました

我が仏、言へること有り
時 減劫に当たって
高岸深谷、遷変して常ならず
いづくんぞ円満如意にして
自ら称足なるを
求むることを得んならん

 ( 釈尊は述べられました
 ( 時が短くなってる今
 ( 山河草木は走り過ぎます
 ( ここにあってどうして
 ( 思い通りが成就出来ましょう



20200727SS00008.png




 [ 摧残 saizan せる枯木、寒林に倚る
 [ 幾度か春に逢うて心を変ぜず
 [ 樵客、之に遇うて猶顧みず
 [ 郢人、なんぞねんごろに追尋することを得ん

 [ 大梅法常禅師 752-839 
 [ が残されたこの詩の趣旨
 [ それを、白雲守端禅師 1025-1072 は
 [ その通り歩まれたと言えます

 [ いじめではなく
 [ 身は坐禅に献上し既に我が身にあらず
 [ 供物ゆえに、かえりみない
 [ この 「 出身の活路 」 を修練してもらうため
 [ あえて厳しき対応をなされたと言えます




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