行 持 「 冬 暮 」
- 2020/07/27
- 13:24
行 持 71 )
五祖山の法演禅師いはく
師翁はじめて楊岐 yogi に住せしとき
老屋敗椽して風雨の弊はなはだし
( 五祖山の法演禅師が述べられました
( 師である白雲守端禅師が
( 始めて楊岐山に住した時のことです
( 屋根のたるきは腐って
( 風雨をしのぐことも出来ませんでした
ときに冬暮なり
殿堂ことごとく旧損せり
そのなかに、僧堂ことにやぶれ
雪霰満牀、居不遑処なり
( 冬の夕暮れ
( 殿堂皆いたんでましたが
( とくに坐禅堂のいたみはひどく
( 雪やあられが吹き込み
( いれたものではありません
雪頂の耆宿、なほ澡雪し
厖眉の尊年、皺眉のうれへあるがごとし
衆僧やすく坐禅することなし
( 雪が白髪の老僧にそそぎ
( 豊かな眉も
( 愁いをたたえる如しです
( 安らかに坐禅する
( そのような環境ではありませんでした
衲子投誠して
修造せんことを請せしに
師翁却之、いはく
( 僧たちは
( 誠を尽くして修築を願い出ます
( 白雲守端禅師は、それを退け
( そして述べられました
我が仏、言へること有り
時 減劫に当たって
高岸深谷、遷変して常ならず
いづくんぞ円満如意にして
自ら称足なるを
求むることを得んならん
( 釈尊は述べられました
( 時が短くなってる今
( 山河草木は走り過ぎます
( ここにあってどうして
( 思い通りが成就出来ましょう

[ 摧残 saizan せる枯木、寒林に倚る
[ 幾度か春に逢うて心を変ぜず
[ 樵客、之に遇うて猶顧みず
[ 郢人、なんぞねんごろに追尋することを得ん
[ 大梅法常禅師 752-839
[ が残されたこの詩の趣旨
[ それを、白雲守端禅師 1025-1072 は
[ その通り歩まれたと言えます
[ いじめではなく
[ 身は坐禅に献上し既に我が身にあらず
[ 供物ゆえに、かえりみない
[ この 「 出身の活路 」 を修練してもらうため
[ あえて厳しき対応をなされたと言えます
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