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行 持  「 寒林に倚る 」



行 持   65 )


この僧、あやしむこころあり
かへりて塩官に挙似するに
塩官いはく
そのかみ江西にありしとき
一僧を曾見す
それよりのち消息をしらず
莫是此僧否



 ( この僧には
 ( 法常禅師の事が
 ( 不思議に思われました
 ( 塩官に帰ってから
 ( 斉安国師に報告しました

 ( 馬祖道一禅師の下にいた時
 ( ある僧に会ったことがあります
 ( あの僧ではないだろうか
 ( 斉安国師が述べられました



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つひに僧に命じて
師を請するに、出山せず
偈をつくりて答するにいはく

 摧残 saizan せる枯木、寒林に倚る
 幾度か春に逢うて心を変ぜず
 樵客、之に遇うて猶顧みず
 郢人、なんぞねんごろに追尋することを得ん

つひにおもむかず




 ( そこで斉安国師は
 ( 遣いをだして法常禅師を招聘します
 ( しかし、法常禅師は山を下りず
 ( 詩をもって答えます

 ( 切り残された枯木が
 ( 寒林の中に立っています

 ( いくたび春が巡って来ても
 ( 枯木が蘇ることはありません
 ( 樵も目にとめません

 ( そんな枯木の消息を
 ( 誰が尋ねる事が出来ましょう


 ( 法常禅師はその招きに応じませんでした







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