行 持 「 焼断の燼木 」
- 2020/07/11
- 12:06
行 持 40 )
いまだかつて一封の書をもて
檀那(ダンナ)につけず
僧堂おほきならず、前架なし、後架なし
( 従諗( Jūsin )和尚は八十歳になられた後
( 趙州観音院へ入られました
( 僧堂を構え運営して行くには
( 衣食住にわたり周りの支援を必要としますが
( 従諗( Jūsin )和尚は自ら
( それを求める事はしませんでした
( その僧堂は大きくなく
( 建築様式も整ってはいませんでした

あるとき牀脚をれき
一隻の焼断の燼木を
縄をもてこれをゆひつけて
年月を経歴し、修行するに
知事、この牀脚をかへんと請するに
趙州ゆるさず。古仏の家風きくべし
( ある時、椅子の脚が折れてしまいました
( 趙州和尚は一本の焦げた木をくくり付け
( その椅子の補強修理とします
( その後もそれで良しとする趙州和尚に
( 係りの僧が新調を具申しましたが
( 趙州和尚はそれを許しません
( 生身の身体で寺社仏閣を建立する
( この身を仏閣とするを主眼としていたからです
( これが祖師方の家風です
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