行 持 下 「 身毛の寒怕 」
- 2020/10/31
- 14:19

正法眼蔵 行 持 下 「 身毛の寒怕 」遅明のよるの消息はからんとするに肝胆もくだけぬるがごとしただ身毛の寒怕 kan-ha せらるるのみなり ( 夜明けの遅い厳冬の夜 ( そこに見捨てられたように ( 二祖慧可大師が立っています ( すべてが砕け散るような ( そんな思いだったはずです ( 身が凍り付くのを ( 悲しく自分で見ておられた ( 身体が雪夜の中 ( 凍り付いて死んでゆきます ( この身体って...
行 持 下 「 操を操とせざる 」
- 2020/10/30
- 12:01

正法眼蔵 行 持 下 「 操を操とせざる 」かくのごとく自惟して法をもとめ道をもとむる志気のみかさなる澡雪 so-setu の操 so を操 so とせざるによりてしかありけるなるべし ( 二祖慧可大師には ( 古人の行いが身近に思え ( さらに近づこうと思えて来ます ( 雪を振り払わなくても ( 雪に埋もれ身体は凍死しても ( 身体の生とは独立した ( 不生不死の火の生が ( 確信となって来たのです ( 神なのに...
行 持 下 「 古尚若此 」
- 2020/10/29
- 07:34

正法眼蔵 行 持 下 「 古尚若此 」かくのごとくおもふに志気、いよいよ励志 rei-si ありいまいふ古尚若此 kosyo-nyaku-si我又何人を、晩進もわすれざるべきなりしばらくこれをわするるとき永劫の沈溺あるなり ( そのように考えると ( 慧可大師の志は、また蘇ります ( 今言うところの ( 「 昔の人は、これに耐えられた 」 ( 私達も後進の方々も ( これを忘れてはいけません ( 忘れれば、永劫に浮かばれ...
行 持 下 「 滴滴こほる 」
- 2020/10/28
- 07:29

正法眼蔵 行 持 下 「 滴滴こほる 」ややつもりて腰をうづむあひだおつるなみだ滴滴こほるなみだをみるになみだをかさぬ身をかへりみて身をかへりみる自惟 ji-yui すらく ( 雪が積もって腰を埋めます ( 落ちる涙が凍ります ( その涙を見てまた涙します ( 我が身を省みて思います昔の人、道を求むるに骨をうちて髄を取り血を刺してうえたるをすくう髪を布きて泥をおおひ崖 kisi に投げて虎に飼ふ古 inisie 尚 かく...
行 持 下 「 深山高峰の冬夜 」
- 2020/10/27
- 09:43

正法眼蔵 行 持 下 「 深山高峰の冬夜 」このとき窮臈寒天kyu-ro-kan-ten なり十二月初九夜といふ天大雨雪ならずとも深山高峰の冬夜はおもひやるに人物の窓前に立地すべきにあらず竹節なほ破す、おそれつべき時候なり ( 二祖慧可大師が ( 達磨大師を訪ねられたのは ( 年の瀬、十二月九日の夜でした ( 深山高峰の冬夜、外にはいられません ( 寒さが竹の節が割る ( 厳しい時節ですしかあるに、大雪匝地 daise...
行 持 下 「 五峰秀出 」
- 2020/10/26
- 08:08

正法眼蔵 行 持 下 「 五峰秀出 」祖、遂に見神の事を以て師にもうす師、其の頂骨を視るに即ち五峰の秀出せるが如し乃ち曰く汝が相、吉祥なり当に所証有るべし神の汝 南へゆけといふはそれ則ち少林寺の達磨大士必ず汝が師なり ( 師の香山宝静禅師が ( 二祖慧可大師の頭痛を治そうとします ( その時、空中から声がします ( 「 これは普通の痛みではありません ( これは骨を換えているのです 」 ( ...
行 持 下 「 骨を換ふる 」
- 2020/10/25
- 01:56

正法眼蔵 行 持 下 「 骨を換ふる 」あくる日、にわかに頭痛すること刺がごとしその師、洛陽龍門・香山宝静禅師これを治せんとするときに空中に声有りて曰く「 此れは乃ち 骨を換ふるなり 常の痛みに非ず 」 ( 「 南へ行くべし 」 ( 二祖慧可大師は、天神の声を聴きます ( そして翌日、刺すような頭痛が起こります ( 師である、洛陽竜門・香山宝静禅師が ( これを治そうとしますが、...
行 持 下 「 神物倏見 」
- 2020/10/24
- 11:40

正法眼蔵 行 持 下 「 神物倏見 」真丹 sin-tan 第二祖太祖正宗普覚大師は神鬼ともに嚮慕 kyō-bo す道俗おなじく尊重せし高徳の祖なり曠達 ko-tatu の士なり伊洛 iraku に久居して群書を博覧すくにのまれなりとするところ人のあひがたきなり ( 中国の第二祖 ( 太祖正宗普覚大師 ( [ 二祖慧可大師 487-593 ] は ( 神にも鬼にも慕われていました ( 出家者からも在家者からも尊重される ( 高徳の方で、とても...
行 持 下 「 麦をうけ蕨をとる 」
- 2020/10/23
- 11:56

正法眼蔵 行 持 下 「 麦をうけ蕨をとる 」麦をうけ蕨 warabi をとるは道俗の勝躅 sho-tyoku なり血をもとめ乳をもとめて鬼畜にならはざるべしただまさに行持なる一日は諸仏の行履なり ( 釈尊と弟子方は、コーサラ国の西 ( ベーランジャーに赴かれた時 ( 食するものがなく、馬師が供養された ( 馬に与える麦を食されました ( 中国は殷代、孤竹国に ( 伯夷 hakui と叔斉 syuku-sei と言う ( 国の王子の...
行 持 下 「 寒苦いまだ人をやぶらず 」
- 2020/10/22
- 06:37

正法眼蔵 行 持 下 「 寒苦いまだ人をやぶらず 」催さるるところは見む人の涙の如くなるべしいたづらに塵土に化して人にいとはれん髑髏をもてよくさいはひに仏正法を行持すべし ( 私達と旅を共にする ( 呪われし諸業 ( これに手を差し伸べなかったら ( そこで催される風景って ( どんな風景でしょうか ( 涙の絵の具で描いたみたい ( そんな絵になっちゃいます ( 見るもせつない髑髏とするか ( せ...
行 持 下 「 鬼の先骨 」
- 2020/10/21
- 09:42

正法眼蔵 行 持 下 「 鬼の先骨 」いまわれら道のためにすてざらん髑髏は他日にさらされて野外にすてらるともたれかこれを礼拝せんたれかこれを売買せむ今日の精魂かへりてうらむべし ( 今生只今 ( この身の中にあるので ( 自分では呪縛の解けない業火を ( 元の火に戻す事が出来るのです ( そのいつくしみを ( 私達が提供しなかったら ( その業火はまた私達と共に ( 輪廻転生せざるをえません ( ...
行 持 下 「 髑髏形骸の功徳 」
- 2020/10/20
- 07:19

正法眼蔵 行 持 下 「 髑髏形骸の功徳 」西天竺国には髑髏 dokuro をうり髑髏をかふ婆羅門 baramon の法ひさしく風聞せりこれ聞法 mon-po の人の髑髏形骸の、功徳おほきことを尊重するなり ( インドでは ( 髑髏を売ったり髑髏を買ったりと言う ( 婆羅門の風習があると聞いています ( 正法眼蔵の面壁坐禅の法を聞いた人の ( 遺骨や遺物に功徳があると ( 尊重されているのですいま道のために身命をすてざれば...
- 2020/10/19
- 10:49

お疲れ様です!10月19日 月曜日如何お過ごしでしょうか?朝晩はすっかり寒くなってセーターが欠かせませんそして夜空はというと澄んできたせいか明るく大いに光りけりです今週もご健康ご健勝であられんことこころよりお祈り致しておりますッ!!!....
行 持 下 「 無量恒河沙の身命 」
- 2020/10/19
- 09:55

正法眼蔵 行 持 下 「 無量恒河沙の身命 」一日に無量恒河沙 muryo-go-gasya の身命すてんことねがふべし法のためにすてん「かばね」 は世世のわれら、かへりて礼拝供養すべし諸天龍神、ともに恭敬尊重し守護讃嘆するところなり道理それ必然なるがゆゑに ( 限りない数の ( 思い出せない記憶や ( よく分からない衝動 ( これらを面壁坐禅の ( 真上からの一刀で成仏してもらおう ( しかしその屍が、無に帰すこ...
行 持 下 「 大 恩 」
- 2020/10/19
- 01:34

正法眼蔵 行 持 下 「 大 恩 」一句の恩なほ報謝すべし一法の恩なほ報謝すべしいはんや正法眼蔵無上大法の大恩これを報謝せざらんや ( 何気ない言葉や ( 何気ない指導も ( その方の 「 いつくしみ 」 から ( 発せられています ( いわんや ( 正法眼蔵、面壁坐禅の法は ( 手足頭を軽くし、心身の中心に ( 「 いつくしみ 」 の温かさを育む ( その具体的方法です ( それを伝えようとなされた仏祖...
行 持 下 「 見仏聞法 」
- 2020/10/16
- 08:50

正法眼蔵 行 持 下 「 見仏聞法 」いまの見仏聞法は仏祖面々の行持よりきたれる慈恩なり仏祖もし単伝せずばいかにしてか今日にいたらん ( 気体→液体→固体 へと ( 固まっちゃう傾向がある ( 何気な日々の内面 ( これを面壁坐禅と言う ( 心身を具体的に運用して ( その逆に戻る法、内十字の法 ( これを私達が知る事が出来るのは ( その放置がいずれ ( その内面を苦しめるだろう ( そのように私...
行 持 下 「 三府の環 」
- 2020/10/15
- 08:14

正法眼蔵 行 持 下 「 三府の環 」病雀なほ恩を忘れず三府の環よく報謝あり窮亀なほ恩をわすれず余不の印よく報謝ありかなしむべし、人面ながら畜類よりも愚劣ならんことは ( 楊宝 yo-ho に助けられた ( その雀は恩を忘れず ( その子孫を三府 san-pu に登らせ ( 恩に報いました ( 孔愉 ko-yu が ( 余不亭 yo-hutei で助けた亀は ( 四度首を左に向けて去り ( その後 孔愉が侯印を作ると ( 印の亀の...
行 持 下 「 七宝千子をなげすて 」
- 2020/10/14
- 10:31

正法眼蔵 行 持 下 「 七宝千子をなげすて 」むかし仏祖のかしこかりしみな七宝千子をなげすて玉殿朱楼をすみやかにすつ涕唾 tei-da のごとくみる糞土のごとくみる ( 仏祖方は優れておられます ( それが大事でしょう ( というものを捨て ( これが自分を守ってる ( と思われるものを ( あっさり捨てておられます ( それらを涙や唾のように ( 流れ去るものとして見えてた ( はかない土の器に (...
行 持 下 「 愛 惜 」
- 2020/10/13
- 07:00

正法眼蔵 行 持 下 「 愛 惜 」禽獣よりもおろかなる恩愛をしむで、すてざることなかれたとひ愛惜 ai-zyaku すとも長年の友なるべからず ( 恩愛は自然に起こりますが ( からめとられてしまいます ( 愛し惜しんだとしても ( うたかたのよう去って行きますあくたのごとくなる家門たのみてとどまることなかれたとひとどまるともついの幽棲 yu-sei にあらず ( 家門は頼りになりますが ( 安住の家は自分で建てる...
- 2020/10/12
- 08:53

お疲れ様です!10月12日 月曜日如何お過ごしでしょうか?小雨が舞ってあの暑さはどこへいっちゃったの秋に色づきかけた月曜日でした今週もご健康ご健勝であられますよう ォ !かげながらお祈りいたしております ッ !!....
行 持 下 「 報 謝 」
- 2020/10/12
- 08:47

正法眼蔵 行 持 下 「 報 謝 」しかあれば、祖師の大恩を報謝 ho-sya せんことは一日の行持なり自己の身命をかへりみることなかれ ( 達磨大師の大恩に報いるということは ( 今日の行持である面壁坐禅 ( すなわち身に内十字を切る事に他なりません ( 「 救迷情の自己なるゆゑに ( ................驚疑なく、怖畏 hu-i せず 」 ( 8/29 http://newstoday.jp/blog-entry-13.html ( 道元禅...
行 持 下 「 慚 愧 」
- 2020/10/11
- 08:19

正法眼蔵 行 持 下 「 慚 愧 」正法にあふ今日のわれらをねがふべし正法にあふて身命をすてざるわれらを慚愧 zan-ki せんはづべくは、この道理をはづべきなり ( 身動き出来ない存在 ( それを救済解放してあげられる ( その貴重な正法、すなわち面壁坐禅 ( これに今日出会えた事は、奇跡的なことです ( 出会えたのに、出来るのに ( してあげない、という事がありえるでしょうか ( 呪いをかけられたように...
行 持 下 「 進 退 」
- 2020/10/09
- 11:59

正法眼蔵 行 持 下 「 進 退 」いたづらなる小人と広大深遠の仏法といづれのためにか身命をすつべき賢不肖ともに進退にわづらふべからざるものなり ( 広大深遠な仏法 ( そしてその実際である面壁坐禅 ( これに出会えたならば ( どう進退を処すべきかは ( 簡単な選択なのかも知れませんしづかにおもふべし正法よに流布せざらんときは身命を正法のために抛捨 ho-sya せんことをねがふともあふべからず ( もし...
行 持 下 「 道 器 」
- 2020/10/08
- 12:00

正法眼蔵 行 持 下 「 道 器 」をしむべき人身なり道器となりぬべきゆえにいま正法にあふ百千恒沙 go-sya の身命をすてても正法を参学すべし ( この身体を得た ( ということは尊いことです ( 仏道の器、すなわち ( 閉じ込められたものを ( 解放する場にもなりうるからです ( そして今、かず多くの ( 輪廻転生の中にあって ( それを実現出来る方法 ( 面壁坐禅の法に出会ったのです今日は正法眼蔵を...
行 持 下 「 暗頭の雲霧なり 」
- 2020/10/07
- 09:48

正法眼蔵 行 持 下 「 暗頭の雲霧なり 」義によりては身命をかろくす殉死の礼わすれざるがごとし恩につかはるる前途ただ暗頭の雲霧なり小臣につかはれ民間に身命をすつるものむかしよりおほし ( 義によって ( 殉死の礼を遂げるように ( 恩義に導かれる人の前途には ( 暗い雲霧が広がっています ( 業の営みの中に ( 身命をすつるものが多いのです ( 小説や時代劇で ( 幾万の軍が対峙し、雌雄を決します...
行 持 下 「 百計千方 」
- 2020/10/06
- 08:15

正法眼蔵 行 持 下 「 百計千方 」しかあればすなはちをしむにたとひ百計千方をもてすといふともつゐにはこれ塚中一堆の塵と化するものなり ( 惜しいと言って ( あれこれ百計をつくしても ( この身が土であることに ( かわりはありませんいはんやいたづらに小国の王民につかはれて東西に馳走するあひだ千辛万苦いくばくの身心をかくるしむる ( ましていたずらに ( 日々の奔流に追われ ( 駆け回るような日...
行 持 下 「 黄泉伝語 」
- 2020/10/05
- 11:58

正法眼蔵 行 持 下 「 黄泉伝語 」香厳 kyo-gen 禅師 いはく百計千方、只だ身の為にす知らず、身は是れ塚中の塵なることを言うことなかれ、白髪に言語無しと此れは是れ、黄泉伝語の人 ( 香厳智閑禅師が述べられました ( 多くのはかりごとは ( ただ我が身のためにしています ( してはいますが、この身は ( もともと土であり、今も土であり ( そして土に帰することを忘れています ( 面壁坐禅は ( 土の情...
行 持 下 「 嶮 難 」
- 2020/10/02
- 12:01

正法眼蔵 行 持 下 「 嶮 難 」しかあるに、かくのごとくの嶮難 ken-nan あるさかひを辞せず、いとはず初祖西来する玄風いまなほあふぐところにわれらが臭皮袋 syu-hitai ををしむでつゐになににかせん ( 業の救済解放が ( 正法であり面壁坐禅です ( それが如何に理解しづらい事か ( 業自体は ( その業を自ら解放できません ( 自らの業を解放出来ない ( その業に ( 深く憑依されているのですから (...
行 持 下 「 止 宿 」
- 2020/10/01
- 10:01

正法眼蔵 行 持 下 「 止 宿 」ただ宿殖般若の種子ある人は不期 fu-go に入門せるもあるは算沙 san-sya の業を解脱して祖師の遠孫となれりしはともに利根 ri-kon の機なり上上の機なり正人の正種なり愚蒙 gu-mo のやからひさしく経論の草庵に止宿 si-syuku するのみなり ( 過去世に ( 智慧の種子を育てた方は ( 期せず仏道に入っても ( 業を解消する ( 面壁坐禅に合流します ( それは過去世からの ( 飽...